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プロジェクトマネジメント

三流技術者のmoiが三流プロジェクトマネージャとして働いた記録

はじめに

三流技術者のmoiが、三流プロジェクトマネージャになり、盛大に失敗した記録である。失敗して、プロジェクトマネジメントに目覚め、どうすれば良かったのか、色々調べた。細かなところは、(ばれて怒られないように) 改変およびぼかして書いている。

プロジェクトマネージャになった

とある製品のソフトウェア開発の責任者となった。実担当であり、その部分に全責任のある、いわゆるプレイングマネージャである。といっても、当初は私一人である。自分で仕様を作り、スケジュールを立て、プログラムを書いていた。

なんちゃってプロジェクトマネジメント

未だかつて、正式なプロジェクトマネジメントの教育を受けたことがない。いきおい、プロジェクトマネジメント「っぽい」ものをやることになる。

  • 作業を列挙し、Excelに入力する
  • さらに分けられそうな作業内容に分割し、Excelに入力する
  • その作業に必要そうな工数は「こんなもんかな?」という値をExcelに入力する
  • 作業の開始日、終了日をExcelに入力し、条件付き書式でガントチャートっぽいものが表示されるようにする

Excelしつこかったら申し訳ない。こうして作ったスケジュールが遅れても、人も増えない、機能も削らないので、期限が延びる、、だけだった、、今までは。

納期が決まった

ものがまだ完成していないのに、納期が決まった。大騒ぎ。よく巷で?月?日発売・上映とか打てるのは、プロジェクトマネジメントがしっかりしているから。ウチが出来るわけない。

派遣を入れた

自分一人で間に合わないことが確定した。会社で初めて派遣社員を受け入れることに。

ところで、派遣社員には若干期待していた。派遣社員はソフト開発だけを専門に行っている、だから技術は何でもやる自分たちに比べ、格段に上だろうと。結局、普通だった。いや、もしかして、派遣の使い方が未熟だったのか。

とはいえ、やはりソフト開発に工数を投入できたのは大きかった。

そろそろプロジェクト完了だが、、

なんだかんだで2年遅れたプロジェクトだった。しかし、結局なんでこんなに滅茶苦茶だったのだろう、と今思う。

もしかして、プロジェクトマネジメントがしっかりしていれば、こんなことにならずに済んだのではないか?というのが、プロジェクトマネジメントに目覚めたきっかけである。

プロジェクトマネジメントとは

そもそも、プロジェクトマネジメントとは何か?「プロジェクト」を「マネジメントする」だろう。では、プロジェクトとは何か?物の本を読むと、

  • 「1回きりの、不確定要素のある活動」

らしい。ではマネジメントは、

  • 「何とかする」

らしい。すると、「プロジェクトマネジメント」とは「1回きりの、不確定要素のある活動を、何とかする」となる。

「何とかする」って何だ?それは、

  • 「あらかじめ決めたQCDを満足させる」

だそうな。そしてQCDとは、

  • Q: Quality。品質・機能
  • C: Cost。費用
  • D: Delivery。納期

の略である。つまり、「プロジェクトマネジメント」とは

  • 「1回きりの、不確定要素のある活動を、あらかじめ決めたQCDを満足させるように実施する」

ということである。

プロジェクトマネジメントの方法

プロジェクトマネジメント、イコール、プロジェクトのQCDを守る方法だが、どうすれば良いのか?理想的には、次のように出来れば、QCDは守られる。

  1. やるべき事を全て列挙する
  2. やるべき事にかかる時間と費用を完璧に予測する
  3. やるべき事を (予測したとおりに) 実施する

、、、当然、そんな素晴らしい状態で終わることはない。

  1. やるべき事を見落としている
  2. やるべき事にかかる時間と費用を楽観的に予測する
  3. やるべき事を実施するが、予測を大幅に超えてしまう

通常は、上記の少なくとも1つ、あるいは全部が発生するだろう。

  やるべき事の列挙

まずは、やるべき事を1つ1つ漏らさず列挙する必要がある。やるべき事がリストされていない場合、それだけで時間 (工数) と費用が予測と大きく変わる可能性がある。

これを行うために有名なのが、WBS (Wordk Breakdown Structure) である。ある作業Aがあるとき、作業AはA1、A2、A3という作業から構成されていて、さらに作業A1はA1.1、A1.2、A1.3、、、から構成されて、、、というあれである。

これを細かくすれば、作業を漏れなく特定できる。作業の工数予測よりずいぶん簡単、、、なわけはない。

やるべき事はなぜやるべきなのか?それはプロジェクトオーナーから、要求されているからだ。もし、本当は要求されるべき事が抜けていたら?納期に間に合わない。もし、必要ない事が要求されていたら?作業が無駄になる。

プロジェクトの失敗で一番多いのは、「やるべき事の設定が上手くいかない」ことにある。本当にやるべき事が分かっていない。だから、やるべき事が後から後から増えていく。最初に決めたやるべき事は、本当にやるべき事なのか吟味せず、やるべき事や機能が多いほど良いことになり、そのまま残る。

やるべき事を正しく設定するにはどうすれば良いか?残念ながら、それが分かれば苦労はない。ただし、プロジェクトマネジメントの本でこんな方法が出ていた。

  1. 後から、やりたいことをWBSに追加しない、と宣言する
  2. やりたい事をどんなことでも出してもらうようにする
  3. その中から、20%だけ採用する

(続く 2015.09.21)