三流技術者のmoiが三流プロジェクトマネージャとして働いた記録 {{outline}} !!! はじめに 三流技術者のmoiが、三流プロジェクトマネージャになり、盛大に失敗した記録である。 失敗して、プロジェクトマネジメントに目覚め、どうすれば良かったのか、色々調べた。 細かなところは、(ばれて怒られないように) 改変およびぼかして書いている。 !!! プロジェクトマネージャになった とある製品のソフトウェア開発の責任者となった。 実担当であり、その部分に全責任のある、いわゆるプレイングマネージャである。 といっても、当初は私一人である。 自分で仕様を作り、スケジュールを立て、プログラムを書いていた。 !!! なんちゃってプロジェクトマネジメント 未だかつて、正式なプロジェクトマネジメントの教育を受けたことがない。 いきおい、プロジェクトマネジメント「っぽい」ものをやることになる。 *作業を列挙し、Excelに入力する *さらに分けられそうな作業内容に分割し、Excelに入力する *その作業に必要そうな工数は「こんなもんかな?」という値をExcelに入力する *作業の開始日、終了日をExcelに入力し、条件付き書式でガントチャートっぽいものが表示されるようにする Excelしつこかったら申し訳ない。 こうして作ったスケジュールが遅れても、人も増えない、機能も削らないので、期限が延びる、、だけだった、、今までは。 !!! 納期が決まった ものがまだ完成していないのに、納期が決まった。 大騒ぎ。 よく巷で?月?日発売・上映とか打てるのは、プロジェクトマネジメントがしっかりしているから。 ウチが出来るわけない。 !!! 派遣を入れた 自分一人で間に合わないことが確定した。 会社で初めて派遣社員を受け入れることに。 ところで、派遣社員には若干期待していた。 派遣社員はソフト開発だけを専門に行っている、だから技術は何でもやる自分たちに比べ、格段に上だろうと。 結局、普通だった。 いや、もしかして、派遣の使い方が未熟だったのか。 とはいえ、やはりソフト開発に工数を投入できたのは大きかった。 !!! そろそろプロジェクト完了だが、、 なんだかんだで2年遅れたプロジェクトだった。 しかし、結局なんでこんなに滅茶苦茶だったのだろう、と今思う。 もしかして、プロジェクトマネジメントがしっかりしていれば、こんなことにならずに済んだのではないか? というのが、プロジェクトマネジメントに目覚めたきっかけである。 !!! プロジェクトマネジメントとは そもそも、プロジェクトマネジメントとは何か? 「プロジェクト」を「マネジメントする」だろう。 では、プロジェクトとは何か? 物の本を読むと、 *「1回きりの、不確定要素のある活動」 らしい。 ではマネジメントは、 *「何とかする」 らしい。 すると、「プロジェクトマネジメント」とは「1回きりの、不確定要素のある活動を、何とかする」となる。 「何とかする」って何だ? それは、 * 「あらかじめ決めたQCDを満足させる」 だそうな。 そしてQCDとは、 * Q: Quality。品質・機能 * C: Cost。費用 * D: Delivery。納期 の略である。 つまり、「プロジェクトマネジメント」とは *「1回きりの、不確定要素のある活動を、あらかじめ決めたQCDを満足させるように実施する」 ということである。 !!! プロジェクトマネジメントの方法 プロジェクトマネジメント、イコール、プロジェクトのQCDを守る方法だが、どうすれば良いのか? 理想的には、次のように出来れば、QCDは守られる。 + やるべき事を全て列挙する + やるべき事にかかる時間と費用を完璧に予測する + やるべき事を (予測したとおりに) 実施する 、、、当然、そんな素晴らしい状態で終わることはない。 + やるべき事を見落としている + やるべき事にかかる時間と費用を楽観的に予測する + やるべき事を実施するが、予測を大幅に超えてしまう 通常は、上記の少なくとも1つ、あるいは全部が発生するだろう。 !! やるべき事の列挙 まずは、やるべき事を1つ1つ漏らさず列挙する必要がある。 やるべき事がリストされていない場合、それだけで時間 (工数) と費用が予測と大きく変わる可能性がある。 これを行うために有名なのが、WBS (Wordk Breakdown Structure) である。 ある作業Aがあるとき、作業AはA1、A2、A3という作業から構成されていて、さらに作業A1はA1.1、A1.2、A1.3、、、から構成されて、、、というあれである。 これを細かくすれば、作業を漏れなく特定できる。 作業の工数予測よりずいぶん簡単、、、なわけはない。 やるべき事はなぜやるべきなのか? それはプロジェクトオーナーから、要求されているからだ。 もし、本当は要求されるべき事が抜けていたら?納期に間に合わない。 もし、必要ない事が要求されていたら?作業が無駄になる。 プロジェクトの失敗で一番多いのは、「やるべき事の設定が上手くいかない」ことにある。 本当にやるべき事が分かっていない。 だから、やるべき事が後から後から増えていく。 最初に決めたやるべき事は、本当にやるべき事なのか吟味せず、やるべき事や機能が多いほど良いことになり、そのまま残る。 やるべき事を正しく設定するにはどうすれば良いか? 残念ながら、それが分かれば苦労はない。 ただし、プロジェクトマネジメントの本でこんな方法が出ていた。 + 後から、やりたいことをWBSに追加しない、と宣言する + やりたい事をどんなことでも出してもらうようにする + その中から、20%だけ採用する (続く 2015.09.21) {{include_html amazon_match}} {{adsence}}